Ultimate2.0のアームタンクロボットイラストUltimate2.0は、Makeblock社という深センのハードウェアスタートアップのSTEM教育用のブロック組み立て式のロボット学習キットのシリーズ(初級mBot/ 中級mBot Ranger)の最上級モデルです。

Makeblock社は、近年は、プログラミングできるドローン「Airbblock」や組立不要で、AIも学べるmBotよりもより低年齢層の学習者向けの「Cody Rocky」、電子モジュールのブロックを組み合わせる「Neuron」などを発売しています。出来るだけ、電子工作や、プログラミングのハードルをなくそうという製品の開発が主流になっているのかなあと勝手に思っていますが、Ultimate2.0は、Makeblock社の製品の中でも比較的初期の段階で出されていて、何というか、結構組立もヘビーだし、その分、応用的なものもたくさんできるロボットキットになっています。

Ultimate2.0のフラッグシップモデル「ロボットアームタンク」

前置きはこのくらいにして、今回はUltimate2.0 の10モデルの中のひとつ、アームタンクを製作しましたので、そのレビューでございます。アームタンクは、Ultimate2.0の中でのフラッグシップモデルですね。製品紹介や、パッケージの一番目立つ部分には、アームタンクの写真がでかでかと掲載されています。

Ultimate2.0の日本語版パッケージ外観画像

mBot/mBot ranger/Ultimate2.0 パッケージ比較画像

mBot/mBot ranger/Ultimate2.0 を無駄に並べて比較してみる画像

 

アームタンクの最大の特徴はロボットグリッパー

Ultimate2.0のなかで、ロボットグリッパーを使うモデルは、このロボットアームのみです。グリッパーの根元にDCモーターが内蔵されていて、それを、MegaPiのステッピングモーター/DCモーター用ポートに繋げます。

Makeblock ロボットグリッパー拡大画像

最大で、67mmまで広げる事が出来て、日本の指の内側に赤い滑り止めのラバーついていますので、モノを持ち上げた際に、滑り落ちにくくなっています。最大で1.5キロのモノを持つことが可能のようです。また、ヒューズが内蔵されていて、グリッパが完全に開いたり閉じたりすると自動的にモーターが停まるようになっていて、 これにより、モーターの短絡および過電流を等による故障を防ぐようになっています。まあ、簡単に言えば、入門者が普通にプログラムの学習などに使用している限りは、故障を心配しすぎなくてよいという事ですな。

robot-gripperは、最大で67mmまで開く事が出来る説明の図面

※出典:Makeblock社HPより https://www.makeblock.com/

エンコーダー付きDCモーターにも種類がある

Ultimate2.0は同時に10個のDCモーターを接続させることができるなど、より本格的なモーター制御使ったロボットを作る事が出来ます。ロボットアームタンクでは、アームの上げ下げの部分にエンコーダーモータ1個・左右のキャタピラに、それぞれ一個ずつエンコーダ付きDCモーターを繋げます。

Ultimate2.0についているエンコーダー付きDCモーターですが、ほぼ見た目は同じですが、仕様が違います。

Ultimate2.0についているエンコーダー付きDCモーター

上の写真だと、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、2つのエンコーダーモーターは一見同じ予に見えますが、3つ違うところがあります。

1、回転数→ 左185RPM 右86RPM

2、ギア比→ 左1:46 右1:75

3、コネクタの向き

1、2の回転数とギヤ比ですが、RPMというのは毎分の回転数の単位です。185RPMというのは、毎分185回回転するという事ですね。ギヤ比は、減速比ともいいます。

例えば、

185RPMでギヤ比(減速比)が1:46だと、185÷46=4.021回転/分

86RPMでギヤ比(減速比)が1:75だと、86÷75=1.146回転/分

になります。

このアームタンクでは、86RPM、ギヤ比1:75のエンコーダモーターがグリッパーの上げ下げの部分に使われています。ギヤ比1:75というのは、1:46のギヤ比のモーターに比べて、重いモノを持ち上げる事が得意です。一方で1:46のギヤ比の方が、加速が大きいので、キャタピラの走行側のモーターに使われています。ちょっと説明がいまいちだと思いますが、素人なりの理解なので、詳しくは、周りの専門家に聞いてみてください(笑)。

とにかく、Ultimateには、エンコーダーモーターをたくさん使うモデルが有り、そのエンコーダーにも、種類があるから、組み立てる時に間違えると、上手く動かないよ!という事が言いたいのであります。

あと、コネクタの向きとかも結構重要です。エンコーダモーターをロボットに取り付けるためには、モーターブラケットという機構部品をモーターに取り付けて、そのブラケットを介して、ロボット本体につけますが、その向きを間違えると、後で、組み立て直しという事態に発展する恐れがあります。

エンコーダーモーターとブラケットの位置の説明画像

寸切りネジが大活躍する

バーテンダーロボットを紹介した時にも書きましたが、Ultimate2.0はシャフトに通すカップリングの位置固定の為に、寸切りネジが多用されます。mBotやRangerにはない部品なので、最初は慣れませんが、かなり重要な部品です。アームタンクにも、バーテンダーロボット以上に寸切りネジが大活躍します。

寸切りネジ使用拡大画像

段々に早く留めるコツも分かってきますので、そうなってくると何となく、素人レベルを超えたぞと思ってきたりしてくるでしょう。

完成したアームタンクは思いのほか大きい

そんなこんなで、2時間くらいで、アームタンクは完成します。実際にアームタンクをmBotやRangerと比べてみると、その大きさに圧倒されます。

アームタンク・mBot・Rangerの正面比較画像

ちなみに、MegaPiのポート①~④はRJ25ではないので、見慣れた色付きのポートは付いていません。↓の写真のように左から順番にポート番号が割り当てられています。

MegaPiポート説明画像

①②が走行用のキャタピラのエンコーダーモータに接続、③がアーム部分のエンコーダーモーター、④がロボットグリップハンド部分のDCモーターに接続されています。この辺りは、取扱説明書にも書いてありますので、ご安心ください。

アームタンクは、基本モデルにセンサーを追加したほうがプログラミングの応用が広がりそうです。

アームタンクは、iOSやAndroidアプリの「Makeblock」でリモコン操作できます。通信はもちろんBluetoothです。その動画がこちらです。大した動画じゃないですが。

Ultimate2.0の制御基板「MegaPi」には、センサーが搭載されていません。アームタンクも組立説明書通りのモデルですと、センサーの取り付けは無いので、このままだと、アームを動かす・グリッパーを動かす・走行させるだけのモーター制御オンリーなので、ロボットプログラミングの学習に取り入れるには、少々物足りないかも知れません。もちろん、モーター制御と実物の機構調整とかは、奥が深いですが。

なので、この後は、このアームタンクに、お馴染みの超音波センサーやライントレースセンサーを取り付けてプログラミングに挑戦したいと思います。