mBotとその上位版のmBot Ranger(以下、Ranger)ですが、どんな点が違うのでしょうか?このページでは、この辺りを見ていきたいと思います。

プログラミング学習ツールとしてはどうか?

mBotとRangerの違いですが、特に、初期、ビギナーのプログラミング学習をするという場面であれば、あまり違いは無いと思います。mBotもRanger(Land Raider か Dashing Raptor)も、初期は、基本的に、ボード上のLEDや、拡張モジュールの超音波センサーやライントレースセンサーを使ってのロボット制御プログラムを学んだり、アプリなどで、ラジコン代わりにするという使い方になると思います。その場合は、細かなモータースピードの設定・時間の設定などの違いはあるにせよ、基本的なシーケンス(あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく事)は同じだと思います。

ロボットプログラミングってどんな感じなんだろう?という段階であれば、まずは、利用者も多く、利用するプログラミング教室もあり、解説本も出ていて、価格も安いmBotから購入するのが良いと思います。私も、最初はmBotでした。

そもそものmBotとRangerの製品コンセプトの違いって?

これは、メーカーである、Makeblock社に聞いたわけじゃなく、単なるユーザーである私の目から見た感想になりますが、mBotは、価格を安く、まずは、プログラミングに親しんでもらう事を目的にしているような製品ですね。makeXというロボコンでもmBotをベースとしたロボットでの競技が設定されています。

Rangerは、mBotより機構(メカ)パーツを増やし、プログラミングだけでなく、メカの構造も学ぶきっかけも与える事を目的にしているような気がします。なので、3in1というように、組立の機会をたくさん与えてくれるのがRangerです。

ちなみに、Rangerの基本キット自体は、タイヤ以外で稼働するような要素をは入っていません。本格的にメカの構造を学ぶというよりは、あくまでの、メカパーツの組み立て要素をmBotより増やし、きっかけを与えるという感じかなと思います。

本格的にメカの構造や、モーター制御を学べるようにしたキットはUltimate2.0でしょう。組立は1モデル3時間とかかかります。(大人でも手こずります(笑))

mBotとRangerの仕様の大きな違いは制御ボード

mBotとRangerの製品スペックから、違いを見てみます。

mBotとRangerの制御ボードの比較

まず、制御ボードは、その名前から違います。mBotは「mCore」、Rangerは「Auriga」です。
ちなみに、以前は、Makeblock starter kit というのがあって(今も海外では流通しているようですが日本では多く流通してないです)、そこに搭載されているのは、Aurigaの前バージョンの「Orion」です。

mCoreとAurigaの概要比較図

※出典:Makeblock社HP https://www.makeblock.com/

使用チップの比較

mCore:Arduino Uno(ATmega328p)
Auriga:Arduino Mega(ATmega2560)

使用するチップの違いから、Aurigaの方が、たくさんのセンサを繋ぐことが出来、様々なモーターの出力も可能になっているというイメージですね。

ボード上に搭載するセンサー比較

mCore:光センサー1個 赤外線受信器1個 赤外線発信器1個

Auriga:光センサー2個 温度センサー ジャイロセンサー(加速度&角速度) 音声センサー

光センサーはそれぞれの光センサー上に照射されている光線量を測定できます。光センサーは光の強度を数値に変換することができます。これらの光センサーを応用してセンサーライトや光源に向かうロボット、朝明るくなったら、ブザーが鳴るロボット、とかできると思います。逆に暗くなったた動きが止まるロボットというのも出来ますね。

Auriga 光センサー 説明画像

※出典:Makeblock社HP https://www.makeblock.com/

 

ジャイロセンサーは、3軸加速度計、3軸角速度計及び信号処理ICから構成されており、ロ
ボットの姿勢制御モジュール使われます。mBot Rangerの二輪自立ロボットバランスバードは、このジャイロセンサーからの情報を元に、モーターを制御して倒れないようにする倒立振子の仕組みで動いています。ジャイロセンサーは、スマートフォンにも搭載されていて、地図アプリに利用されていますね。

Auriga ボード上の ジャイロセンサーの説明

※出典:Makeblock社HP https://www.makeblock.com/

 

音声センサーは、周りの音の大小を測定します。音声センサーはマイクとLM2904汎用オペアンプで構成されています。このセンサーを応用することで、音声スイッチや音に反応するダンスロボットなどを作成できますね。

Auriga 音声センサーの説明

※出典:Makeblock社HP https://www.makeblock.com/

 

温度センサーで、周辺環境の温度変化を計測できます。温度の変化により、抵抗値が変化するサーミスタを利用したセンサーです。

Auriga 温度センサー 説明画像

※出典:Makeblock社HP https://www.makeblock.com/

特に、基板に搭載されているジャイロセンサーによって、mCoreでは出来ないようなロボットの実現を挿せている事が分かります。ちなみに、mBotも拡張パーツを用意すれば、ジャイロセンサー・温湿度センサー、音声センサーを利用することができます。

RGB LED

mCore:2個
Auriga:12個

mCoreに比べてかなり多いLEDなので、カラフルな挙動のLEDプログラムが可能です。結構プログラムの行が多くなりますが(笑) ちなみに、Aurigaは、電源ボタンが、LEDリングの中央と、基板側面側の2つについています。

モーターポート

mCore:ギヤモータ―用のコネクタ(ポート)

Auriga:エンコーダー付きモーター用のコネクタ(ポート)

拡張ポート

mCore:拡張ポート4個

Auriga:拡張ポート 10個

Aurigaは、拡張ポートが10個というのが最大の特徴だと思います。Ultimate2.0のMegaPiよりも多いです。

mCoreとAurigaで比べると、大きな違いは、5~10番のポートです。

Auriga 拡張ポートの説明

 

mbotでは繋げない拡張パーツをつなぐことができるポートが、1~5です。

1~4は、様々なモータードライバーを繋げることが出来るので、これにより、ステッピングモーターなどの接続が可能になります。

5は、ハードウェアシリアル通信用のポートです。Bluetoothモジュールは基板につけることができますので、このポートは主に、RaspberryPiというOSの載った小型シングルマイコンボードを接続することを目的にしているようです。

RaspberryPiを通じて、Pythonという言語でプログラムを書いたりすることが出来ます。簡単に言えば、IoTやAIといった技術にも対応が可能になる拡張性を大幅に広げることが可能なポートです。ここは、上級者向けでしょう。ちなみに、CodeyRockyというmBotシリーズよりも、さらにプログラミング学習に特化したロボットがMakeblock社から発売されていますが、CodeyRockyでは、Pythonプログラムを学ぶこともできるとされています。

mBotはプログラミング学習を重視している人が気軽に取り組むツールで、Rangerは、拡張パーツを駆使して、オリジナルのロボットやモデル製作に取り組みたい人向けといったところですかね。