mBlock5ではじめるmBot

 2015年にキックスターターで登場して以来、全世界の教育機関に瞬く間に広がり、ユーザー数600万人を誇る中国のSTEAM教材メーカーMakeblock社の代表的なプログラマブルロボット「mBot」。今や、日本でもロボットプログラミング講座の定番中の定番となりました。小学校のロボットプログラミングの題材にも使われたりといった具合で、とても息の長い製品になりましたね。

当サイトでも、mBotを中心に色々ご紹介しておりますが、2019年は、mBotのハードウェアは変わらないものの、専用プログラミングソフトが「mblock3」から「mBlock5」へ本格的に移行が進んだ年でもあります。

こちらのページでは、最新版のmBlock5を使っての、mBotの始め方を説明していきます。
尚、基本的な想定読者は、家庭で、子供と楽しもうとしている30~40代の親御さんという想定です。私と同じ境遇の同志たちへ送ります(笑)

説明の際の使用環境

・mBot_v1.1 日本国内正規品 Bluetooth版 購入時期は2019年8月
(新型Bluetoothモジュール)
・mBlock_v5.1 
・オンラインのファームウェアバージョン_06.01.107
・Windows10

mBotは何歳から取り組めるのか?
よくある、親御さんの疑問として、mBotは、何歳位から取り組めるのか?というものがあります。
mBotの使ったプログラミングで、mBotの基本的なポテンシャル(基本センサーの使いこなしなど)を用いて、楽しむ・学びを得るという目的であれば、早くて、小学校2年生の冬学期(3学期)頃からでしょう。
mBotのプログラムソフトmBlock5は、Scratch3.0というビジュアルプログラミング言語がベースになっていますが、特にセンサーを使ったプログラムする際にどうしても「小数点」や「不等号 ><」など、小学校3年以降の算数の知識が必要になってくるのと、「もし○○なら●●」のような条件の文を考える国語的な能力が必要になります。
それを考えると、個人差はありますが、始めるベストは、小学校3年生からと思います。

1:mBotを手に入れてからプログラミング始めるまで

mBotを手に入れてから、プログラミングを始めるまでの大まかな手順は、以下のような手順になります。

  1. mBotを組み立てる
  2. mBotの動作確認をする
  3. PCに「mBlock5」をインストールする
  4. mBotとPCを接続し、mBotのファームウェアを最新版にする

1:mBotを組み立てる

 mBotを組み立てるには、どうしたらよいかというと、キットの中にある取扱説明書を読んで、その通りにする、という事になります(笑)

 初めて組み立てる場合は、大人でだいたい45分くらい。子供でも小学校2年生くらいからであれば、1時間~1時間半といったところでしょう。

 ここでは、詳しい組み立て方は、省略しますが、組み立てる中で、理解しておきたいポイントは、2つあります。

1、mBotのメイン基板「mCore」
mBotの心臓部「mCore」は、オープンソースマイコン開発プラットフォームArduinoの設計図を元に開発されています。mBotで壊れやすいのは、1番目がDCギヤモーターで、その次がこの「mCore」です。「mCore」が壊れた場合は、以下のサイトから、ばら売りで購入することが可能です。
https://www.j-robo.jp/products/detail.php?product_id=1733
mBotメイン基板「mCore」拡大図2、ポート番号とセンサー取り付けの関係
mCoreには、センサーや拡張電子モジュールを繋げるポートが1~4あります。基本キットでは、ライントレースセンサーをポート2・超音波センサーをポート3に接続します。この番号を間違えると、最初の動作確認で、不具合が起こりますので、説明書通りに接続しましょう。
参照ページ:mCoreで利用できるセンサー

3、バッテリー
mBotでは、単三電池4本か、リチウムイオン電池で駆動させます。
通常は、基本キットについている、バッテリーケースに電池を入れて、6Vの電源ジャックに接続させて動かしますが、何度も使う事を想定すると、リチウムイオン電池の方が、mCoreを経由して充電できますので、そちらを別途購入されることをお勧めします。
購入サイトページ:https://makex.shop/items/5d1b2395aa58a829b05f88af
因みに、単三電池4本=6V、リチウムイオン電池=3.7Vなので、単三のほうが、mBotの走行パワーは、強いです。

2:mBotの動作確認をする

mBotデフォルトプログラムのモード切替のボタン説明画像

組立が無事に終わったら、次は動作確認です。
組み立てを終えたあと、mBotに電源を入れると、「ビッビッビー」と3回ブザー音が鳴ります。この時、最初にmBotにプログラムされているのは、
「工場出荷時のファームウェア(06.01.009)」です。
そのデフォルトプログラムでは、以下の3つのモードの切替を、赤外線リモコンか、mCoreにあるオンボードボタンで切り替えられます。

メインボードのLEDの色は、現在のモードを示し、オンボードボタンを押していくと、以下の順番で切り替わります。
LEDの色=白:赤外線リモコンモード(最初のモード)
LEDの色=緑:障害物回避モード
LEDの色=青:ラインフォロワーモード

赤外線リモコンモード

コントローラーを使用して、速度、方向など、mBotをラジコンのように操作します。

mBotのデフォルトプログラム赤外線リモコンモードのボタン説明図画像

もし、リモコンの上下左右ボタンを押して、mBotが前後左右に綺麗に動かない場合は、組み立る時、DCギヤモーターコネクターの指す場所がM1・M2で逆したか、DCギアモーターが初期不良か、ケーブルがタイヤにあたっているか、タイヤが曲がってはめられているか、のどれかになると思います。

障害物回避モード

障害物回避モードでは、mBotの前進走行中に、前方約10~15cmに障害物がある場合に、右か左にランダムに方向転換します。

mBotデフォルトプログラム_障害物回避モード説明画像

赤外線リモコンモードが正常に動いた後、このモードが正常に動かない場合は、超音波センサーがポート3以外のポートに挿されているか、超音波センサーの初期不良になります。

ラインフォロワーモード

ラインフォロワーモードでは、mBotは黒い線に沿って前進走行します。キットの付属の八の字のテストコースを使用して、黒い線の上を走らせてみましょう。

mBotデフォルトプログラム_ラインフォロワーモード説明画像

このモードがうまく動作しない場合は、ライントレースセンサーが、ポート2に接続されていないか、ライントレースセンサー自体の初期不良と言えます。

3:PCに「mBlock5」をインストールする

動作確認が出来たら、mBot側の準備は完了です。次はPC側の準備です。まずは、PCにビジュアルプログラミングソフトウェア「mBlock5」をインストールします。

mBlock5をインストールする前に知っておくべきこと

mblock5には、WEBブラウザ上で動作する「オンライン版」と、インタPCにインストールする「ローカル版」があります。どちらも以下のダウンロードサイトで準備が可能です。

mBlock5のダウンロードサイト https://www.mblock.cc/ja-jp/download/

ダウンロードサイトにアクセスすると、「mBlock5」と、「mLink」が確認できます。

mBlock5ダウンロードサイト画像

「ローカル版」を使う場合は、mBlock5をダウンロードします。
2019年12月27日現在、最新バージョンは、「v5.1.0」です。
「オンライン版」を使う場合は、「mLink」をというデバイスドライバをダウンロード・インストールし、ドライバ起動した状態で、以下にアクセスるると、ウェブブラウザ上で、mBlock5が利用できるようになります。
https://ide.mblock.cc/#/

「ローカル版」と「オンライン版」のどちらを利用すべきか?
オンライン版は、常に、ソフトウェアが常に最新にアップデートされるので、最新の機能をすぐに利用することが可能です。但し、インターネット環境が必要である点と、常に最新になっているので、突然、ブロックが追加されたり、昨日までのブロックの表現が今日になると変わったりすることがあるので、ワークショップなどを行う場合は、注意する必要があります。
ローカル版は、デバイスのファームウェア更新が無い限りは、変更はないのと、インターネット環境が不要なの、安定しているといえば安定しています。
プログラミングのやり方は全く同じなので、mBotの利用環境に合わせて使いこなせばよでしょう。
当ページでは、特に断りがない限り「ローカル版」のmBlock5_v5.1.0で進めます。

mBlock5のインストール手順

mBlock5(ローカル版)のインストールは、簡単です。上記のダウンロードサイトにアクセスして、インストールしましょう。

4:mBlock5とmBotを接続する

PCにmBlock5がインスト―ルされたら、最後は、mBlock5(ローカル版)とmBotを接続する作業です。mBlock5のβ版が、2019年1月に最初に公開されて以降、この1年くらいかけて、ちょくちょくアップデートがされ、最新版v5.1.0になりました。ここでは、接続する手順を説明しつつ、その中で、知っておきたい事項を整理しておきます。

接続する前に知っておきたい、3種類の接続方法

mBotとPCのmBlock5(ローカル版)を接続する方法は3種類あります。

1:USBケーブルを使う方法
最もポピュラーで、どのPC(USB-TypeAのポートがあるPC)でも安定して接続が出来ます。基本は、USBケーブルで接続をしましょう。

2:PC内蔵のBluetoothを使う方法
 USBケーブル接続だと、プログラミングの際に、PCとmBotが物理的に離せず、PCからプログラムを実行する場合に、不便です。そこで、mBotのBluetoothと、PCに内蔵されているBluetoothを使って、無線でmBlock5で実行したプログラムを送信することが出来ます。(プログラムのアップロードは出来ません)
 ここで注意したいのが、PC側は、基本的には、Bluetooth4.0でなければならない点です。 
※ちなみに、Bluetooth4.0以外のPCを4.0にする方法は以下URLをご参照下さい。ただ、あまりお勧めできません。
https://www.mblock.cc/doc/en/faq/bluetooth.html

 Bluetoothモジュールのバージョンの違いについて

mBotに付属するBluetoothモジュールには、旧型と新型があります。2018年の夏~秋ごろ以降に出荷されたmBotには、新型モジュールが入っています。
 もし、PCにBluetooth5.0が内蔵されていた場合でも、mBotのBluetoothモジュールが新バージョンであれば、mBlock5からプログラムを実行して、mBotを制御することが可能なようです。(当サイト管理人にて、検証済み)

Bluetoothモジュールの外観の違い
画像の「最近」=新型モジュール・「以前」=旧型モジュール 

3:別売りのBluetooth接続用USBドングルを使う方法
 mBlock5とmBotを無線(Bluetooth)で繋げる為の一番確実な方法は、Makeblockの別売りのBluetooth接続用USBドングルを使う方法です。
 このドングルを使うと、一度ペアリングしてしまえば、mBotの電源を入れるだけで接続完了できます。
 ワークショップなどで、同一教室内で、PC-mBotの複数セットを同時で繋げる時も、事前に1mBot-1ドングルでペアリングをしておけば、混線の心配はほぼありません(一応、10台同時使用までは試したことあります)
 また、内蔵Bluetoothとの一番の違いは、プログラムをアップロードしたり、ファームウェアを更新することが出来る点です。これは、想像以上に便利です。

 このドングルの話(ペアリングやmBlock5との接続方法)は、こちらのページで魂込めて書いてありますので、そちらをご参照ください。
https://j-tinkering.com/bt-dongle/ 

※尚、よくある質問で、Makeblock社のBluetoothドングルじゃなくて、一般的なBluetooth4.0対応ドングルにすればいいんじゃないか?という話があるのですが、そういう話ではありません。
 このドングルは、mBotとドングル間をBluetoothで接続し、このドングルの中で、Bluetoothプロトコルから、USBシリアルに変換して、挿入しているPCにおくります。つまり、Bluetooth-USB変換ドングルです。ですので、PC側(mBlock5)は、このドングルで接続されたときは、USBケーブルと同じと認識しますので、プログラムのアップロードも出来るという事です。

makeblockのBluetoothドングル

makeblockのBluetooth-USB接続ドングル

共通の接続手順

まずは、上記の3つの方法のいずれでも、まずは、以下の手順は共通です。
1:mBotの電源を入れる。
2:mBlock5を立ち上げる
3:言語の設定を確認。
※「日本語」か「にほんご」にすることが可能です。

mBlock5_言語設定説明画像

3:mBlock5のデバイスをmBotに設定する
立ち上げると最初は、デバイスタブが「Codey」という白いロボットの設定になっているので、×印をクリックして、「Codey」を削除します。その後、「追加」を押して、下の画像のように、デバイスライブラリを開いたら、mBotを指定して「OK」を押して追加しましょう。

mBlock5_デバイスライブラリ説明画像

このようにmBotが追加されます。
mBlock5_mBot追加完了画面

 因みに、このままだと、mBlock5を閉じて、再度立ち上げると、また「Codey」がデバイスに設定された状態になります。
 もし、デフォルトで「mBot」からスタートしたい場合は、下の画面のように、デバイスライブラリのmBotのデバイスを左上にマウスを合わせると、「☆」が出現しますので、それをクリックしましょう。そうすると、デフォルトのデバイスがmBotになります。
mBlock5_mBotをよく使用するデバイスに設定する画像

USBケーブルでの接続手順

 USBケーブルで接続する場合、共通の接続手順が終了したら以下の手順で接続を完了させます。
1:mBotのUSB差込口にケーブルを挿し、PCのUSBポート(USB-TypeA)と接続。
ちなみに、USB差込口のすぐ横にある、ポート4に指してしまうのは、かなりありがちなので、気をつけましょう。
2:ケーブルを接続したら、下の画面の、接続を押します。

mBlock5_mBot接続説明画像

4:COMポートを指定して、mBotを接続
mBlock5_COMポート設定画面

mBlock3では、COMポート番号を調べたりする作業が発生することが多かったですが、mBlock5では、基本的に挿されているCOMポート番号を自動で認識され、表示されるようになっているようです。

5:接続完了
下の画像のようになれば、接続が完了しています。
mBlock5_mBot接続完了画面

 

内蔵Bluetoothでの接続手順

PCの内蔵Bluetoothで接続する場合、共通の接続手順が終了したら以下の手順で接続を完了させます。

1:mBotの電源が入っていて、Bluetoothモジュールが青点滅している事を確認
2:mBlock5のデバイスタブの接続をクリック

mBlock5_mBot接続説明画像

3:COMポート設定画面で、Bluetooth4.0タブをクリックし、mBotが認識された後、接続を押す。下の画像は、新型Bluetoothモジュールの場合の認識画像です。
mBlock5_内蔵Bluetooth設定画像

5:接続完了
下の画像のようになれば、接続が完了しています。尚、接続が完了すると、mBotのBluetoothモジュールが青点灯に変化します。

mBlock5_内蔵Bluetooth接続完了画面

 

Bluetooth接続用USBドングルでの接続手順

Bluetooth接続用USBドングルで接続する場合、共通の接続手順が終了したら以下の手順で接続を完了させます。

1:mBotの電源が入れ、Bluetoothモジュールが青点滅しているのを確認
2:ドングルをPCに挿し、ドングルが青点滅している事を確認
3:ドングルのボタンをを長押し、青点滅が速くなり、数秒で、青点灯になる
4:mBotのBluetoothモジュールが青点灯になったのを確認

ここまでの手順で、mBotとBluetoothドングルのペアリングと接続が完了しました。mBlock5は、ペアリングされたBluetoothドングルは、USBケーブルと同じように認識しますので、後は、上記のUSBケーブルと同じ接続手順で、mBlock5とmBotを接続することが可能です。

mBot(デバイス)が検出されない場合の対処方法

これまでの接続手順で、通常は、問題なく接続は可能です。
それでも、mBotとmBlock5が繋がらないというユーザーの方はいると思います。
多くの場合、デバイスが認識されないという症状が発生していると思います。
mBlock5_デバイスが認識されない画像

 この場合、お使いのPCに「CH340」というUSB-シリアルデバイスドライバーが、インストールされているか確認しましょう。

確認方法は、左下のWindowsアイコンを右クリック>デバイスマネージャー>ポート(COMとLPT)を選択し、下の画像のように「USB-SERIAL_CH340」が、表示されているか確認しましょう。シリアルデバイスドライバー確認画面画像

もし、認識されていない場合、「不明なUSBデバイス」などの表示になっていると思いますので、そこを、右クリックし、ドライバーの更新>ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索 を選択すると、オンライン上から、最新ドライバーが検索され、自動でインストールされます。

また、認識されていたとしても、プロパティで下のように正常に動作していない場合は、
USBデバイスドライバー正常動作画像

同じく、プロパティ内から、ドライバーを更新してみましょう。

デバイスドライバプロパティ更新画面

正常にインストールされれば、下の画面になります。

CH340デバイスドライバインストール完了画面

ここまで確認した後、再度mBlock5のデバイス接続を試してみましょう。