Halocodeスタンダードキットレビュー
Makeblockの Halocodeは、個々にプログラム可能な12個のLEDライト、モーションセンサー、タッチセンサー、マイクなどが内蔵されているWiFi無線機能付きのシングルボードコンピュータです。
主にSTEAM教育シーンでの活用を想定し、ビジュアルプログラミングが可能な専用ソフトウェアmBlock 5と組み合わせて、簡単にIoTプロジェクトを作ることが可能です。
応用としては、マイクロソフトの音声認識サービスと連携し、英語・中国語を認識するプログラムを組んだりすることが出来る優れものです。
日本では、2019年5月に、Halocode本体のみが、先行して発売されました。
参考記事:Halocode発売とCoderDojoとの連携発表
このHalocode本体のみ製品は、箱から取り出さなくても動作確認が出来るという、衝撃的なパッケージで、この界隈の玄人たち(micro:bit を活用してプログラミングワークショップを行ってらっしゃる方々など)を魅了しました。

ただ、安価な反面、ホントにマイコンボードだけで、ケーブルすら同梱されていない、割り切ったものだったため、これを使って、初めて電子工作とかプログラミングをやろう!と意気込む大人にとっては、そのやる気を挫くのに十分なパッケージでもありました。
今回は、ある意味で、慣れた人向けだった「Halocode本体のみバージョン」に加え、初心者でも手軽に始められる「Makeblock Halocodeスタンダードキット」を、販売代理店のJ-roboさんからお借りしたので、レビューをしてみたいと思います。

Halocodeスタンダードキットの構成内容
Halocodeスタンダードキットの付属品の内容は、以下の通りです。
・Halocode x 1
・単4 バッテリーホルダー x 1
・単4 電池 x 3
・Micro USB ケーブル x 1
・マジックベルト x 1
・マジックテープ黒 (4個) x 1
・マジックテープ白 (4個)x 1
・銅箔テープ x 1
・クイックスタートガイド x 1
・サンプルプロジェクトガイド (12作例対応)x 1
・ワニ口クリップ (4個) x 1
本体のみだったものと比べ、電池ケース・単四電池・USBケーブルといった、Halocodeを楽しむ上で、最低限用意する必要がある周辺ツールが同梱され、更に、日本語のユーザーマニュアル・難易度が表示された作例カードが12枚入っていて、ネットで色々調べたりしなくても、十分楽しめるように、「おもてなし感」をかなり意識したパッケージ内容になっています。


このHalocodeスタンダードキットがあれば、先に進めずに、あたふたした挙句、電池とかUSBケーブルを準備しようとながらも、日常に忙殺され、Halocodeの小ささも相まって、机の引き出しに、しまってしまい、そのままお蔵入りになるっていう事態は防げることでしょう!
Halocodeスタンダードキットで出来る事
スタンダードキットを使う際に、Halocodeのポテンシャルを引き出す主要アイテムは、マジックベルト・銅箔テープ・ワニ口クリップ・電池ボックスの4つです。
銅箔・ワニ口クリップでHalocodeのタッチセンサーを拡張
Halocodeには、静電容量式のタッチセンサー(タッチパッド)が4つ、基板上に形成されています。

mBlock5では、以下のブロックで、タッチパッドからの入力信号を制御することが出来ます。
1:タッチパッドに触れた事を検知するブロック

HaloCodeの4つのタッチパッド(0~3)に触れたかどうかの条件を表すブロックです。
2:タッチパッドの値を検出するブロック

タッチパッドに指が触れた強さ(より正確に言うと、タッチパッドと指の接触面積の大きさ)によって、0~100の範囲で数値をプログラム側に入力することが可能です。

Halocodeタッチパッド直接タッチすると、検出データが変化する
↓の動画は、実際に、↑の画像のように、Halocodeのタッチパッド部分を、直接強く触ったり(=指の接触面積が大きかったり)、軽く触ったり(=指の接触面積が小さかったり)したときに、数値が変化していることを確認しています。
と、ここまでは、スタンダードキットが無い場合でのタッチパッドの使い方ですが、スタンダードキットのワニ口クリップと、銅箔テープを活用すると、より様々な電子工作アイデアを実現することが出来ます。

例えば、以下のような鉄板プロジェクトが出来ますね。イメージとしては、Halocodeのタッチパッド金属部分を、ワニ口クリップ、銅箔テープで延長させたというイメージですね。これも立派な「配線」です。
マジックバンドと電池ケースでHalocodeのモーションセンサーの作例に幅が広がる
Halocodeには、ジャイロセンサー+加速度センサーを合わせたモーションセンサーが搭載されています。

HaloCodeの3つの軸(x、y、z)と、それに対応するロールとピッチの方向の説明図
上の図は、HaloCodeの3つの軸(x、y、z)と、それに対応するロールとピッチの方向を示しています。ピッチ角・ロール角など、聞きなれない言葉がありますが、HaloCodeで動かしながら理解していきましょう。
HaloCodeが○○に傾いている

このブロックは、HaloCodeがどの方向に傾いているかの条件を表します。
・左に傾いている
・右に傾いている
・矢印を上向きに指している
・矢印を下向きに指している
・LEDリングを上向きにしている
・LEDリングを下向きにしている
傾きの基準は、HaloCodeの基板に印刷されている矢印が、空へ向かって向いている状態を基準にしています。

Halocodeのモーションセンサーの基準点
応用例:HaloCodeの向きによって、LEDリングの色を変える

揺れている

HaloCodeが揺れているかどうかの条件を設定する為に使うブロックです。
揺れの強さ

HaloCodeno揺れの強さの値を取得するブロックです。揺れの大きさは0~100の範囲で取得することが可能です。
●軸上のモーションセンサーの加速度(m/s2)]

HaloCodeのモーションセンサーによって検出された、X・Y・Z軸上の加速度(m /s²)の値を取得するためのブロックです。
モーションセンサー●●角の角度(°)

モーションセンサーのピッチ角/ロール角の角度の値を取得するブロックです。
●軸周りの回転角度

X軸、Y軸、Z軸の回転角度の値を取得するブロックです。
●軸周りの回転角度をリセットする

X軸、Y軸、Z軸、またはすべての軸の周りの回転角度をリセットするブロックです。
さて、このように、Halocode本体を、動かすことによって、各モーションセンサーの値をmBlock5に送ることが出来て、それを使ってプロジェクトをたくさん作成することが出来るのですが、そこで、たびたび遭遇するのが、給電の為にUSBケーブルに繋げてると、ケーブル邪魔。手にもって動かすと、操作しにくいという、つまり、PCから離して使いたいという場面です。
そんな時、活躍するのが、電池ボックスと、マジックバンドで、これさえあれば、PCから給電しなくても良いし(プログラムをアップロードする時はPCにケーブル繋げます)、片手をふさがずにPCのキーボード叩けます。
取り付けの方法などは、マニュアルに書いてあります。取り付けた後の感じは↓の画像の通りです。

Halocodeスタンダードキットは、HaloCodeの基本的なポテンシャルを引き出すための周辺ツールが一式揃っています。このキット一つで、中級レベルくらいまでは、十分に楽しめる内容です。
自分で色々とネットで調べて電池ボックスを購入したり、マジックバンドとか銅箔テープを100均で購入する時間のない初級者の方々にとっては、うってつけでしょう。あと、教材選びや準備の時間がなかなか取れない小中学校の先生にもいいかも知れませんね。
。。。願わくは、もう数百円、キット価格が上がったとしても、サーボモータあたりの拡張パーツを1個でも付けてくれていたら、より幅広い層に刺さったかな。と個人的には思いました。
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