なぜ、大人向けのロボットプログラミング講座なのか?

J-tinkeringでは、MakeblockのSTEAM教育用プログラマブルロボットを活用した大人向けロボットプログラミング講座を開催しています。

子供向けじゃなくて、大人向けのロボットプログラミング?と思われる方も多いと思います。J-tinkeringでは、以下の3つの問いに挑戦しています。

1、自分が知らないプログラミング・STEAMを子供にやれっていえるか?

 2020年から小学校で「プログラミング教育必修化」や、「STEAM教育」という言葉が、世の中で認知されるに従って、子供にプログラミング教室に通わせようか?と考える親御さんも多いことでしょう。
 
 子供向けのロボットプログラミング教室はたくさんありますが、そこでは、こんな風なスキルが身に着くと宣伝されています。
 
AI・ロボット時代で生きていく力
新しいアイデアを試す方法
複雑な問題をひも解く方法
粘り強く前に進む方法
物事を深く理解する方法
他人と協力して物事を進める方法
創造性とイノベーション
問題解決 意思決定 論理的思考力
情報リテラシー・ICTリテラシー
 
 これって、これまでの義務教育を受けてきた我々大人が、胸を張って身についているといえる「チカラ」でしょうか?
 
 お父さん、お母さん、社会人、小中学校や塾の先生、私たち一般的な大人たちの中で、身についているって自信をもって言える人は、そんなに多くはないと思います。

 我々大人は、自分でも身についているか分からないチカラを、自らも体験したことのない「プログラミング」「STEM教育」や「STEM教育」で、子供に身に着けさせようとしています。
 
 例えば、数学があまり好きではない文系の親が、子どもにだけ好きになるように教育しようとすることって、おかしいと思いませんか?

2、子供の教育を他人に任せ過ぎてしまってよいのか?

 J-tinkeringを運営している私も、もうすぐ小学生の娘がいる親です。その立場から思うのは、

 私たち親(大人)は、「教育サービスの消費することばかり考えている」ということです。

 ほとんどの親が、「どの塾やどの教育サービスを、子供に受けさせようか?」という思考になってはいないでしょうか?

 
 もちろん、専門的な教育サービスを受けさせる事を否定するわけではありません。問題は、親自身に、「自分で教える・子供と共に学ぶ」という姿勢が無さすぎる事だと考えます。
 
 大人=親が興味をもって学んでこなかった場合、子どもが興味・関心を抱く可能性は高くないでしょう。この点は、子供への教育以外でも、様々な学びに通じます。例えば、セミナー講師が楽しそうに話していない内容は、セミナー受講生も楽しいとは感じません。
 
 子供は、親の背中を見て育ちます。親が楽しんでいる姿・学んでいる姿を見れば、自然と子供も学ぶでしょう。反対に、親が楽しんでいないものは、子供も楽しく感じないケースが多いのではないでしょうか。
 

3、大人はSTEAMやプログラミングなど、これからの学びに取り組まなくてよいのか?

 上記の2つは、 文科省の学習指導要領の改訂の一部として2020年度から小学校でプログラミング教育の必修化という時代背景から来る、 子供へのこれからの教育という文脈からの問いです。

 最後の問いは、大人自身がこれから生きていくうえでの、学び直し・リカレント教育という文脈からの問いです。

 いま私たちの手のひらにあるスマートフォンは、かつて人類を月に送ったアポロ計画のコンピューターよりも高性能になっています。
 世界の最新ニュースを見ながら通勤し、見つけた特産品を家族とチャットで相談し、オフィスに着くまでに宅配日時を指定して購入することもごく普通の光景になりました。
 また、従来は情報が伝わりにくかった貧困や社会的弱者支援などの社会課題にも、インターネットの力が活かされ、国内外でソリューションが提供され始めています。
 こんな社会の到来を、インターネット以前に予想していた人はほとんど居なかったでしょう。きっと子どもたちも、私たちが想像できないような未来社会を、自ら築き上げながら生きていくはずです。
 引用元: ※平成26年度文部科学省「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究報告書」 

 上記のような未来は、子供だけじゃなく、我々大人にも、やってきています。

世界経済フォーラムの「The Future of Jobs Report 2018」には、
「今後は手先の器用さや調整力、記憶力などのスキルではなく、複雑な問題解決能力や分析的思考とイノベーション、技術の設計、プログラミングなどの重要性が増すだろう」という一節もあります。
 

 実際、エンジニアを目指して、社会人になってからプログラミングを学ぶ方も増えている一方、プログラミングに取り組む過程では、「プログラミングそのものへの理解」・「コーディング能力」がファーカスされがちな為、

「自分はエンジニアになるつもりはないから、プログラミングは必要ない」という方は多いとは思います。

 しかし、プログラミングに取り組むという事は、プログラミング言語を使ってコードを書くこと以上の学びを我々大人に与えてくれます。

プログラミング能力以上に必要な「ひと仕事やってのける力」を得ることが出来る

J-tinkeringでは、プログラミングに取り組むことで、コーディング能力・技術的な意味でのプログラミング能力以外に、「ひと仕事やってのける力」を学びとして得られると考えています。
 
ひと仕事やってのける力とは、ここでは、周りにある現実問題を見極め、今あるモノ・手段・情報を組み合わせて、新たな問題解決方法(新しいコト)を考え、試行錯誤しながら、完遂させる能力と定義します。
※因みに、ひと仕事やってのける力は、創造性という言葉で置き換えても良いかもしれません。
 
 この「ひと仕事やってのける過程」では、以下の能力が必要になり、それは、プログラミングに取り組む過程で、自ずと訓練されていけると考えます。
 
・問題を分解し、筋道を立てて論理的に考えていく事
 
・ある考え方・方法が、他の問題にも適用・展開できないか、抽象化し、パターン化・一般化できないか考える事
 
・課題を様々な角度から、多面的に考え、自身のアイデア・解決策に対しても客観的に評価する事
 
・現状を踏まえた問題解決策の仮説を立て、さらに、その結果を予測・分析する事
 
・他者と円滑に協働する力と、そのためのコミュニケーション能力
(複雑な事を相手に分かりやすく伝える事)
 
さらに、根本的な部分として、以下のような、モノゴトに取り組む姿勢が強化されます
 
・決まった答えのない問題・曖昧さに耐えられる姿勢
・試行錯誤 試しにやってみて、エラーを修正しながら完遂させる姿勢
・実現したいことを、自ら考える姿勢
・答えのない難しい・複雑な問題に取り組む根気強さ・忍耐強くやり続ける姿勢
・協働、他者と一緒に活動する姿勢
・ITを積極的に活用しようとする姿勢
 
 
 料理教室に行く人が、必ずしもプロの調理師を目指すわけではなく、自分の生活を充実させようとしているように、プログラミングを学ぶ事は、決して、プロのエンジニアになるためではなく、これからの生きる力・仕事をしていく力を身に着ける手段として、捉える必要があるのではないでしょうか?
 

ロボットプログラミングである理由

 コンピューターやロボットは人間のように気が利きません。こちらの気持ちも、気合も通じないし、忖度(そんたく)もしてくれません、実に正直な存在です。 コンピューターやロボットは、我々人間が的確な指示を与えなければ動きません。

 つまり、人間の考えたアイデアや解決策を、すぐに試すことが出来、その成功も失敗が、すぐに目に見え、ゴールへと至る筋道を考えやすい為、上記のような創造性・物事に取り組む姿勢を訓練するのには、非常に適しています。
 
 その中で、PCだけではなく、実体のロボットでプログラミングをする事をJ-tinkeringが勧めている理由は4つあります。

一つ目は、「動きがある」ことで、PC上で行うプログラミングよりも、単純に楽しく取り組めるからです。

二つ目は、「今、何をやっているのか・どんなエラーが起こっているか」も、直感的に理解しやすいからです。

三つ目は、PCの中だけでなく、周りの環境(例えば動く場所の床面の状態)や、実体(ロボットの部品の取り付け具合など)の影響も考えながらモノゴトを進めていく必要があり、より高いレベルの思考チャレンジをすることが可能であるからです。
 
四つ目は、様々なロボットと協働する社会が訪れる際に、そのロボットの動く仕組みを理解することは、実生活にも大いに役立つものと考えているからです。

J-tinkeringのアクション

 J-tinkeringは、上記の3つの問いに応えるは、大人自身が、率先して、プログラミングに触れてみる事が大切だと考え、その想いから、大人向けのロボットプログラミング講座を提供しています。

社会人向けロボットプログラミング講座

 非エンジニアで、ロボットプログラミングをしたことが無い社会人向けのロボットプログラミング講座を行っています。基本的な事項を説明した後は、自由にロボットを動かしてもらいながら、学ぶというよりは、大人の楽しみ的なサークル感覚の講座を開催しています。

小中学校の子供を持つ親御さん向けロボットプログラミング講座

 親が子供にプログラミングを教える(親が自分の子供の教育の生産者になる)・親と子が一緒になってロボットプログラミング・STEAMという学びに取り組む社会を作っていきたいという想いから、親子向けのロボットプログラミング講座を開催しています。

こちらの講座は、現在、知り合いの親御さんと一緒に、クローズドな講座を実施していますが、2019年内には、その講座を、一般の方にも提供する為に、準備をしています。